阪急バス路線物語(BLOG ver.)

阪急バス・阪急田園バスが運行する京阪神地区を中心に、「バス停」とその風景を撮り続けています。

0288 妙見山上(みょうけんさんじょう)

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 「妙見さん」として親しまれる能勢妙見山の頂上にある停留所。東能勢・能勢東部のバス路線はこの妙見山輸送を中心に発展してきた。現在では能勢電・妙見ケーブル・リフトの利用が一般的となり、妙見山へのバス路線は阪急バスの余野・池田系統だけとなってしまっている。
 ちなみに最盛期(昭和30年代)には大阪市中央区の内本町2丁目バスセンターから梅田、豊中(阪北線)を経由して妙見山へといたるおよそ40km・2時間もの長大路線を運行していた(注釈1参照)

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 停留所で発車待ちをしている[137]余野行きのバス。池田・妙見山間の輸送が主な目的だが、途中経路の豊能町野間口地区での乗降も少なくない。

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 阪急バスの標柱。

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 京都交通の標柱。2005年に廃止され、現在は撤去されている。 

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 のりばのすぐ向かい側にある建物。どうやら昔は阪急バスの車庫として使われていたようだが、現在では私有倉庫となっている。乗務員の休憩には現在も利用されている。 看板に「阪急バス 池田 余野 茨木 方面」と書いてあるのにも注目。「茨木方面へのバスなんて無いハズ・・・」と思うのが普通だが、実はかなり昔に茨木~妙見山という系統が存在していたのだ(注釈2参照)

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 妙見山上系統は勾配がきつい箇所が多いため、妙見山上発車時と野間峠通過時にブレーキテストを行う。

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 妙見山のバス停からおよそ400m下ると妙見リフト・妙見山駅がある。現在、平日・土曜日は池田方面に下るバスがないのでリフトとケーブルを経由して能勢電妙見口駅まで行くことになる・・・むしろ、妙見山に来る(帰る)人のほとんどはこの妙見リフト・ケーブルを利用しているのが現状だ。

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 妙見山への参道入り口。本堂までは意外と距離が長い。

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 余野(東能勢中学校前)~妙見山上間の路線バス。池田方面までは余野(東能勢中学校前)で乗換となるが、運賃は通し運賃が適用して大人700円。日祝に4往復運行しているほか、正月三が日には池田への直通臨時便が運行される。
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 京都交通は本滝口、倉垣橋、湯ノ花温泉、亀岡駅を経て、阪急桂、西大路七条から京都駅までという長い距離を運行。京都駅までは大人1700円。妙見山14:43発、日祝日、正月三ガ日に1往復のみ運行・・・していたのだが、2005年に廃止となってしまい、京都側から妙見山へのアクセスは無くなってしまった。

2002.9.16 2003.10.22

注釈1
 昭和39.4~6現在の妙見山直通系統の時刻表(引用:BUS TIME バス時間表1964.4 p.234)
  内本町2丁目752→池田845→久安寺900→妙見口930→妙見山上945 38.8km
  妙見山上1645→妙見口1700→久安寺1727→池田1740→内本町2丁目1833
  このほか、
  池田~妙見山上10往復(+休日復1)、池田~牧経由~妙見山上往2復1
  池田~牧3往復、池田~妙見口7往復など

注釈2(参考;阪急バス50年史p.97~103、メールを頂いたAさまetc...

 まず、池田~妙見山のバス輸送の歴史について振り返ってみよう。
 もともと池田~余野経由~妙見山上(鳥居前)間の運行を始めたのは池田能勢妙見自動車で昭和5年3月のことだった。同社は余野街道の沿線開発や妙見山参詣客の輸送を目的に池田~余野間の運行権を取得した。後に阪北自動車を設置して西国街道の輸送の任せて、妙見輸送を主を置くことになり、自費を投じて余野~野間口~山上の改修にあたったものである。この池田~妙見の直通輸送が原因で、能勢電や妙見鋼索鉄道から反発を喰らうことになり、その親会社の阪急電鉄の要請によって阪急バスが池田能勢妙見自動車の買収に乗り出し更に能勢電鉄へ譲渡された。能勢電の傘下になったあとは、北摂乗合自動車に合併される運びとなる(昭和16年)。さらにこの北摂乗合自動車も戦後に阪急バスと合併することとなった(昭和21年)。東能勢線自体は大東亜戦争(太平洋戦争)の戦況悪化により、運行休止を余儀なくされている。
 一方で、妙見山へのバス輸送は、同じく能勢電鉄の子会社である能勢妙見自動車が、妙見山~牧or地黄~亀岡という路線を運行しており、先の池田~妙見山系統と余野で接続をすることで池田~亀岡間の輸送に当たっていた。この能勢妙見自動車は陸運統制令にのっとり、丹波交通(→京都交通→現在の京阪京都交通)に事業を引き継がれることになる(昭和19年6月)。
 このような流れがあって、妙見山へのバス輸送としては(1)池田・阪北方面からの阪急バス、(2)亀岡・京都方面からの京都交通の2種類が出来上がったわけである。
 さらにここで茨木方面にも触れておくと、昭和26年6月に京阪バスからの路線を譲受することとなり、昭和27年6月に阪急茨木~上音羽経由~余野系統を復活、昭和29年2月には銭原経由便の運行を開始した。
 ・・・ということで、ここまでが妙見山参詣バス輸送の戦後直後までの大まかな流れだ。
 本題に戻り、茨木~妙見山のバス運行については運行開始時期・廃止時期ともに不明確であるが、確実に「運行されていた」という記録だけは残っている。
 一つ目は阪急バスで発行していた「観光バス 夏の栞」というもので、昭和30年代頃のものらしい。そこには
 梅田から山上鳥居前まで 梅田発8時 片道125円
 阪急池田駅前より毎日5往復 片道80円
 池田発8:45 9:30 11:00 13:00 14:25
 阪急茨木市駅より毎日2往復 片道110円
 茨木発 9:30 13:30

 毎月1日、15日、日曜祭日、午の日には池田~妙見山上間直通バス増便

と書かれているんだそうな。
 さらに時期的にはこの後になると思われる、昭和39年発行「全国バス路線便覧」によれば、妙見山関連の運行系統は次のようになっている。池田~妙見山の系統だけみても現在に比べて重厚な本数になっているのが分かる。
 内本町二丁目~池田~妙見山上
  39.95km 145円 往路7:52 復路16:40 1h44miin 1往復 日祝のみ
. 茨木車庫~余野~妙見山上
  28.3km 100円 往路8:58 復路10:50 1h37min 1往復 日祝のみ

 池田~妙見口~妙見山上  19.85km 80円 58min
    平日:往路8:00~20:10 復路6:30~18:05 12往復
  日祝:往路7:35~20:10 復路   〃   13往復
  1月1~3日 往路〃     復路       〃      23往復
 以上のことから、資料によって とりあえず「茨木~妙見山のバスが走っていた」ということが証明された。

 <補足1>阪急バス 阪急池田~妙見山上の乗換方法 ※2011.12.10現在
 詳しくはこちらを参照のこと。

★ポイント!!(2011.12.10改正現在)
 乗継割引は適用されないが、千里中央あるいは茨木方面からもバスを乗り継いで妙見山上に行くことも可能である。
・千里中央~妙見山上方面 (中止々呂美~妙見山上間は東能勢線区内のため乗継割引対象)
 千里中央9:35→(森町線)→中止々呂美9:53/9:55→(東能勢線のりつぎ)→妙見山上10:29
 妙見山上11:12→(東能勢線のりつぎ)→中止々呂美11:43/11:48→(森町線)→千里中央12:10
 千里中央13:20→(森町線)→中止々呂美13:38/13:55→(東能勢線のりつぎ)→妙見山上14:29
 妙見山上15:12→(東能勢線のりつぎ)→中止々呂美15:43/15:48→(森町線)→千里中央16:10
・阪急茨木~妙見山上方面 
 阪急茨木7:21→(忍頂寺線のりつぎ)→余野8:45/10:10→妙見山上10:29
 妙見山上11:12→余野11:30/12:11→(忍頂寺線のりつぎ)→阪急茨木13:34
 阪急茨木12:42→(忍頂寺線のりつぎ)→余野13:58/14:10→妙見山上14:29
 妙見山上15:12→余野15:30/16:11→(忍頂寺線のりつぎ)→阪急茨木17:35

 
<補足2>能勢妙見山初詣臨時バス(毎年1月1日~3日) 
 阪急池田~妙見山上の直通運行は1997年12月のダイヤ改正で廃止されたものの、正月三が日には臨時増発扱いで運行を行っていた。他の臨時路線のように途中利用も可能であった。定期便については従来どおり余野・東能勢中学校前で乗り換えとなるが、臨時便については東能勢中前は経由せずに豊能町役場前に停車した。
 なお、もともとは定期便4往復+臨時便4往復の合計8往復で運行を行っていたが、2009年1月分には臨時便を2往復に減回した。また、2011年12月10日のダイヤ改正を機に、2012年1月分より臨時直通便は全廃された。 

・時刻表
※臨時便は各停。各停留所の発車時刻は他便から算出してください。
>2002年1月~2008年1月の運行ダイヤ
 (定期便=細字、臨時便=太字
 池田8:00→余野8:37/8:38→妙見山上8:57
 池田9:10→余野9:47/9:50→妙見山上10:09
 池田9:40→余野10:17→妙見山上10:34
 池田10:10→余野10:47→妙見山上11:04
 池田11:10→余野11:47/11:50→妙見山上12:09
 池田12:10→余野12:47→妙見山上13:04
 池田13:10→余野13:47/13:50→妙見山上14:09
 池田14:10→余野15:17→妙見山上15:34
 妙見山上9:02→余野9:20/9:21→池田10:00
 妙見山上10:42→余野11:00/11:01→池田11:40
 妙見山上12:42→余野13:00/13:01→池田13:40
 妙見山上13:20→余野13:39→池田14:18
 妙見山上13:40→余野13:59→池田14:38

 妙見山上14:42→余野15:00/15:01→池田15:40
 妙見山上15:45→余野16:04→池田16:43
 妙見山上16:30→余野16:49→池田17:28

※池田発・妙見山上発の時刻は毎年共通。
※少なくとも07年以降の運行では、臨時便・妙見山上発池田着の時刻が14:14,14:34,16:39,17:24に変更している。03.04.05.06年ではどのようになっていたかは不明。

>2009年1月の運行ダイヤ
 臨時便の池田10:10.14:10発妙見山上発13:20,15:45の2往復を廃止
 池田8:00→余野8:37/8:38→妙見山上8:57
 池田9:10→余野9:47/9:50→妙見山上10:09
 池田9:40→余野10:17→妙見山上10:34
 池田11:10→余野11:47/11:50→妙見山上12:09
 池田12:10→余野12:47→妙見山上13:04
 池田13:10→余野13:47/13:50→妙見山上14:09 
 妙見山上9:02→余野9:20/9:21→池田10:00
 妙見山上10:42→余野11:00/11:01→池田11:40
 妙見山上12:42→余野13:00/13:01→池田13:40
 妙見山上13:40→余野13:59→池田14:34

 妙見山上14:42→余野15:00/15:01→池田15:40
 妙見山上16:30→余野16:49→池田17:24

>2010・2011年1月の運行ダイヤ
 2009年4月29日の減便改正に伴い、池田~妙見山間は下記の4往復のみ。
 池田9:10→余野9:47/9:50→妙見山上10:09
 池田9:40→余野10:17→妙見山上10:34
 池田12:10→余野12:47→妙見山上13:04
 池田13:10→余野13:47/13:50→妙見山上14:09 
 妙見山上10:42→余野11:00/11:01→池田11:40
 妙見山上13:40→余野13:59→池田14:34

 妙見山上14:42→余野15:00/15:01→池田15:40
 妙見山上16:30→余野16:49→池田17:24

※臨時便では途中停留所の時刻は設定していません。定期便の所要時間から算出してください。


>2012年1月以降について 
 2011年12月10日の東能勢線本線ダイヤ改正に伴い、臨時直通便は廃止
 阪急池田および東能勢線本線沿線からは、定期連絡便2往復を利用。

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 余野・豊能町役場前で時間調整中の臨時・妙見山上行き。車内を覗いてみると、昔から乗っているのであろう高齢者ばかりで、若年層の姿は全く見られなかった。アピール不足なのだろうか。(2009.1.1撮影)

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 上から7年前に撮影したもの。臨時便に限らず、妙見山系統は豊能・伏尾台の両営業所の乗務員2名で運行している。(2002.1.1撮影)

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 臨時便を別アングルで。(2009.1.1)

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 このときには方向幕は「臨時」で、また別に「妙見山上⇔池田」のサボが設置されていた。(2009.1.1)

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 妙見山上行き・定期連絡便に乗り換えようとする乗客。(2002.1.1撮影)

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 2009年運行の臨時便削減後の告示。。(2009.1.1)

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 2002年運行時に掲示された告示内容。クリックすると拡大します。

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