阪急バス路線物語(BLOG ver.)

阪急バス・阪急田園バスが運行する京阪神地区を中心に、「バス停」とその風景を撮り続けています。

“古都”京都、“いでの湯のまち”有馬。2つのまちをダイレクトに!-2018年2月25日、有馬温泉~京都線 運行開始。

2018年2月25日、京都・有馬温泉間をダイレクトに結ぶ高速バス運行開始!
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 訪日外国人旅行客(インバウンド)が絶えず訪れる、古都・京都、そしていで湯のまち・有馬。昨年7月28日には、大阪国際空港(大阪空港)を経由する路線が誕生し、空港と有馬温泉とがわずか30分で結ばれるようになりました(詳細は
こちら)。京都も有馬も国内だけでなくインバウンド客には人気があるようで、2018年2月3日にはNHKドキュメンタリー番組「ブラタモリ」でタモリさんたちが「有馬温泉の人気はなぜ冷めないのか?」といったテーマで調査をしていたのも記憶に新しいことでしょう。

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 そんな有馬と京都。2018年2月25日から、阪急バスと京阪バスの2社共同により「有馬温泉-京都線」(京阪バスの路線名は「京都有馬線」)の運行が開始されました。
 この運行で、京都駅八条口・有馬温泉間が75分・1800円、名神高槻・有馬温泉が51分・1600円で結ばれることとなりました。運行本数も1日8往復(各社4往復)で、京都から有馬へ日帰り温泉の旅に、あるいは有馬で泊ったあとに京都へ観光へ、といったことが気軽にできるようになりました。

 ここでは、運行開始の様子をちょこっとですが紹介します。

▼ 有馬温泉バスターミナルもキレイに改装! 芦屋方面も太閤橋のりばからの発車に。
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 有馬温泉バスターミナルに新路線が乗り入れるということで、バスターミナルも新たに改装されました。また、有馬線・芦屋有馬線でも路線変更やダイヤ変更が行われました。

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 有馬温泉バスターミナル。温泉街の中心部にあるこのバスターミナルは、半円柱形の建物が案内所として使われています。

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 待合所の1階はこんな感じ。既にダイヤ変更前日の時点ではキレイに改装されていました。

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 2階の待合室もキレイに改装。階段側にはモニターも設置されました。
 ちなみにトイレは温水洗浄便座が導入された以外は残念ながら昔のままでした。おもてなしの玄関口として、いつかは改装するのでしょうか。

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 かつて2階にはコインロッカーと飲料自販機があったのですが、撤去されていました。飲料自販機は1階にもあるのですが、コインロッカーは需要が無かったのでしょうか。

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 1階にある時刻表・運行系統図・運賃表等の掲示板。電灯を使用した旧タイプの掲示板から、2面液晶モニターに変わりました。太閤橋のりばから発車する三宮・芦屋・西宮各方面のバスや、運行系統図・運賃表・のりば案内図は据置の掲示板に集約されています。

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 2階の液晶モニター。モニターの内容は時間が経つにつれて変化します。こういった設備投資が安価で行えるようになったのも、技術の進歩が伺えますね。

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 モニターの時刻表は英語表記にも変わります。

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 高速バスの乗り入れ本数が増えたことによって、バスターミナルの発着バースに変化が。

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 これまでは、1番線に大阪行き、2番線に西宮名塩・宝塚方面行、3番線に芦屋方面行と各方面行きがそれぞれ乗車扱いを行っていた。
 2018年2月25日からは、1番のりば・2番のりばが高速バスで大阪行き・京都行きとも共用。3番のりばが路線バスという扱いになった。これにより、有馬線では有馬温泉付近を経由する一部の便で発車時刻を修正。芦屋有馬線の芦屋方面行はバスターミナルへの乗り入れを取りやめて、太閤橋での発着となり、山口営業所前→有馬駅前間の発車時刻を修正した(なお、有馬・山口営業所前行きは2009年4月1日から有馬温泉バスターミナル乗り入れを廃止し、有馬駅前での発着に変わっている)。

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 太閤橋ののりば番号もバスターミナルの番線に続けてナンバリングされることとなり、トイレ側が4番のりば、北側が5番のりばとなった。ただ、公式サイトではこののりば番号のナンバリングは掲載されておらず、かなりややこしいことに。(※ダイヤ変更翌日の2017年2月26日昼頃に、公式サイトで表記されている のりば番号 が 現地の番号 と同じナンバリングに修正されました。)

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 太閤橋東詰にある4番のりば。新神戸・三宮方面行きの阪急バス・神姫バス、松山・高知行きの高速バスはここで乗降扱いを行っている。
 のりば横には2016年1月23日に完成した公衆トイレ「太閤橋おもてなしトイレ」がある。一般社団法人・有馬商店会が平成27年度商店会まちづくり事業補助金事業を用いて、有馬温泉・神戸芸術工科大学・TOTOの3者による協働コラボにより設置された。
 
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 4番のりばにはJR高速バスも乗車扱いを行うことから、乗車レーンが新たに設置された。

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 5番のりば。2018年2月25日から芦屋行きはここから乗車することになった。さくらやまなみバスの夙川・西宮方面行は従前からここで乗降扱いを行っている。

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 大きくのりば番号が掲示された上部円板。

▼ 有馬温泉8:50発 京都駅八条口行き 第1便に乗ってみました。
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 さて、ここからが本題です。運行初日、有馬温泉8:50発の京都駅八条口行きにさっそく乗ってみました。
 豊中営業所から阪神高速空港線を経由して50分ほどかけて有馬温泉まで回送するようです。出発20分前の8時30分に到着するようなのですが、今回はセレモニーがあるためか、それよりも早めに到着していました。

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 行先表示。

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 時刻表パンフレットは、大阪発着の有馬急行線と京都発着の有馬温泉~京都線とが裏表に書かれたものに。乗車券も購入して出発を待ちます。

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 関係者が集まり、何やら慌ただしい感じに。どうやら出発式セレモニーがあるようです。

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 8時30分、出発式セレモニ―がはじまりました。阪急バス(株)の取締役社長・井波 洋氏、有馬観光協会副会長・平野雅之氏、神戸市経済観光局局長・小原一徳氏などが登壇し、挨拶がなされました。

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 阪急バス井波社長による挨拶。

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 運行開始を記念して、関係者より阪急バス乗務員に花束贈呈。15分ほどで出発式セレモニーは終わりました。
 ちなみに京都側でも、8時20分から出発式セレモニーが執り行われたようで、日本の温泉地をモチーフにした地域活性クロスメディアプロジェクト「温泉むすめ」に出演する声優などが登壇し、挨拶が行われたのだそうです。

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 さて、さっそく乗ってみましょう。京都発1便目は予約開始当日に満席になったのに対して、有馬発1便目は予約開始から1週間ほど経っても予約なしという状況でした…が、結局20名ほどの利用客がありました。当日乗車が多いのでしょうか。
 バスは、2013年9月14日に供用開始した県道有馬山口線バイパスを経由して阪神高速北神戸線・西宮山口南ランプから高速道路へ進路をとります。中国道までは有馬急行線と同一ルートを取りますが、吹田JCTから名神に入り、独自のルートを進みます。

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 うとうとしているうちに、あっという間に名神高槻。
 
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 15分ほど早くに到着。一旦ホームに着いて扉を開閉しますが、降車客がいなかったため、引き続き京都を目指します。

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 途中には新名神と分岐する高槻JCTが。名神高槻バスストップに停まるということは、新名神が神戸JCTまで延伸しても、現行の中国道・名神経由のルートを取るのでしょうか。

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 名神は左ルートを通って、京都南IC第一出口で一般道に下ります。

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 かつて京都急行線名神経由便も走行していた国道1号線。京都急行線は東寺南門まで直進していましたが、この路線は国道1号久世橋通交差点から久世橋通→烏丸通→九条烏丸→大石橋経由のルートで京都駅八条口を目指していきました。ちなみに復路(有馬温泉行き)は京都駅八条口を出ると烏丸通を南下して、往路のルートへと復帰するようです。

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 九条烏丸のあたりで終点のアナウンス。ちなみに車内放送・モニターはともに、英語・中国語・韓国語の3ヶ国語も併用していました。これはインバウンド客が多い有馬急行線と同様です。

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 道路状況がスムーズだったこともあり、京都駅八条口には9分ほど早く到着しました。

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 京都に到着した利用客には京阪バスからのお出迎えも。

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 京都駅八条口10:05発 有馬温泉行 2便目。

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 インバウンド客を中心に多くの客が利用していました。

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 有馬側、京都側ともに、乗客にはこのようなお土産が渡されました。
 有馬側では当路線の運行を記念して、有馬温泉~京都線と有馬急行線を利用して有馬温泉から乗車する旅客のうち先着1000名に対して、このような記念品(温泉むすめデザインの炭酸煎餅)が配布されました。
 
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 5分ほど早く到着した、京都駅八条口行き2便目。

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 初便も2便目も新型車両が使われているようです。利用客を降ろした阪急バスは、10分ほどかけて京阪バス洛南営業所に入庫。京都駅八条口を発車する20分ほど前に洛南車庫を出庫して、有馬温泉へ再び向かうようです。

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 京阪高速バスの待合所にも「有馬温泉」「阪急バス」の文字が見えます。

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 せっかくなので、阪急バスの折り返し便 11:50発有馬温泉行きも見てみることに。



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 京都駅八条口で乗車扱いを行う阪急バス。横を通るのは京都駅に到着する京阪バス。

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 午前の京阪2便と同様に、初日から満席近い利用者が。トランクを持ったインバウンドの利用も多いようですね。

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 大きいキャリーケースを預けるインバウンド旅客。有馬温泉で一泊するのでしょうか。

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 折り返し、有馬温泉へと向かいます。

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 シンプルな横面表示。

 ちなみに高速バスロケーションシステムで阪急バス便の遅延状況を見てみると、有馬温泉→京都駅八条口間では、名神高槻は定刻より10~15分ほど早着し、京都駅八条口は定刻かそれより少し早めに到着するようです。一方で、京都駅八条口→有馬温泉間では、名神高槻で6分~15分ほど遅延するものの、有馬温泉では定刻から10分弱ほどの早着になるようです。有馬温泉~京都駅八条口間全体で考えればおおむね時間通りに運行できる、ということでしょうか。

▼ 大阪市内を経由せずに済むダイレクトバス。過去は?

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 大阪市内を経由せずに京都市・神戸市間を結ぶ路線は、1951年8月21日に阪急バス・京阪バス・阪神電鉄バスの3社による協定路線『京神線』として、七条大宮~石橋~門戸~西宮~神戸間の73.1kmを、各社2往復の合計6往復の本数で、片道2時間30分で結ぶ路線を申請がなされたことがありました。これは、同じく京都・神戸間をダイレクトに結ぼうとした京阪神急行バス・関西急行バスの同様の申請に対抗するものでしたが、8月24日に却下された経緯があります。それは、鉄道網が運行本数も多く所要時間や運賃を見てもバスに移行するとは考えられず、敢えて大阪市内を通らずに京都・神戸間を結んだとしても、経済圏から離れているために、沿線の利用率も乏しいと結論づけられたためでした。競願となった他社路線についても同様に却下されました。(国立公文書館によるアーカイブはこちら

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 時が経ち、西日本JRバスが、ひょうごデスティネーションキャンペーンの開催に合わせて、2008年8月8日に大阪・神戸~有馬温泉間を結ぶ高速バスを開設したのを皮切りに、有馬温泉への高速バス網を画策していき、2017年4月1日には京都駅烏丸口~有馬温泉間を結ぶ高速バスを1日1往復(京都14:20→有馬15:30,有馬11:25→京都12:35)の運行を開始しました。阪急バス・京阪バスによる路線開設の動きを見てか、2018年3月1日には平日2往復・土休日3往復に増便し、対抗策を講じようとしています。
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 大阪市内を経由せずに京都市・神戸市(といっても三宮ではなく神戸市北区の有馬温泉ですが)を結ぶ路線は、時を越えて実現することになりました。この先の益々の発展が楽しみです。
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