阪急バス路線物語(BLOG ver.)

阪急バス・阪急田園バスが運行する京阪神地区を中心に、「バス停」とその風景を撮り続けています。

2014年6月17日 IC金額式定期券「hanica定期券」利用開始へ!

2014年6月17日 西日本では初登場!
IC金額式定期券「hanica定期券」が発売・利用開始へ。 

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 2014年6月17日より、阪急バス(阪急田園バス本社営業所管内路線を除く)において、ICカードを利用した金額式定期券「hanica定期券」の発売と利用が開始されました。

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 一般に鉄道やバスで発売される定期券は、利用区間や経路が定められている「区間式」が主であり(ただし、阪急バスでは各市内線区などにおいて一定のゾーン範囲内で利用を可能とする定期券を発売していました。)、またバスの定期券では月極による発売が主となっていました。

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 今回の「hanica定期券」は、ICカード「hanica」を利用するもので、定められた運賃区以内なら乗り放題となる「金額式」となったほか、鉄道線と同様に日極による発売となったことで、利用しやすく&購入しやすくなりました。なお、同じくhanicaカードを利用する阪神バスでも同日から導入が開始されています。(阪急田園バス本社営業所管内路線は除く)

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 今回の「金額式定期券」は、2011年4月に京王バスが「モットクパス」として利用開始したのが発端となり、首都圏では系列の西東京バス(2013年4月)、神奈川県の相鉄バス(2013年4月)で利用が始まっていました。多区間路線をもつ事業者としては、阪急バスは4例目となり、西日本では初となります。

 詳しい情報については6月16日から公式サイトで公開が始まっています。
 この記事ではどこが変わったのかをおおまかにご紹介します。
>> ここが便利になった!「hanica定期券」。
1. 券面に表示される運賃以内なら乗り放題に。

 学生向け通学定期券「スクールパス」や高齢者向け定期券「グランドパス65」を除き、通勤・通学定期券は購入した際に指定した区間およびその経由ルート内でしか途中下車を含めた利用ができませんでした。
 例えば、「豊中市内線~希望ヶ丘二丁目(千里中央・泉原西経由)」と表示された定期券では、豊中市内線区のエリアおよび千里中央~泉原西経由~希望ヶ丘二丁目間の利用はできる一方、たとえば千里中央~中止々呂美~希望ヶ丘二丁目といった利用はできませんでした。
 今回の「金額式定期券」は今までとは異なり、券面に表示された運賃以内の区間ならどこでも乗り放題(一部コミバスで利用不可あり)となります。
 例えば、通勤定期券として「清和台~川西バスターミナル」で購入申し込みをすると、定期券の券面には「260円区間」と表示されます。
 この定期券を使えば、いつも通勤等で利用している区間以外でも、例えば、豊中市内線(220円)も、吹田市内線(220~240円)も、あるいは大原野線の阪急東向日~灰方(150~250円)間も、利用することができます。
 なお、コミバスや催事輸送や阪急田園バス(阪急バスと路線を重複する宝塚~すみれガ丘一丁目間を除く)など、一部路線ではhanica定期券を利用することができないものもあります。詳しくは、公式サイトの「hanica定期券の使用可否路線一覧」(PDF)で確認できます。

2. いつでも購入できる。いつでも継続できる。
 今回から発売となったIC定期券は「日極」による発売になりました。今までは、月末3日~月始2日の間に窓口に行かなければなりませんでしたが、今回からは終日において購入が可能となりました。窓口の営業時間も一部を除く各営業所では始発から終発までの間で購入することが可能となったことで、より購入しやすくなりました。
 また、定期券の継続についても、一部のhanicaチャージ機での継続購入が可能となり、営業所や案内所といった窓口に行く必要がなくなりました(一部、例外あり)。

3. 再発行が可能に。
 定期券といえば、一旦紛失してしまった再購入をしないといけませんでした。
 ですが、今回のIC定期券では通常の「記名式hanica」と同様に、再発行が可能となりました。


>> 「hanica 通勤定期券」こんなケースはどうなるの?
 公式サイトで公開されている「ICカード取り扱い規則」や「運送約款」を読めば、上手な使い方ができる・・・ハズなのですが、ここでは本社・自動車事業部から得た回答などをもとに、具体的なケースについてご紹介します。

1. 今使っている紙定期券はどうしたらいいの?
 今現在使用している紙定期券をそのままIC定期券に移行することはできないのだそうです。今の所持券の有効期限満了を待ってから、新規購入となります。ちなみに、どうしても「IC定期券にしたい!」という人は一旦紙定期券を払い戻して再購入という形になるようです。

2. 券面の運賃区間外の乗り越しはどうなるの?(土日祝の場合)
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 土日祝には今までの紙定期券と同じく「環境定期券」制度が利用できます。今回のhanica定期券では乗り越し区間を100円で、同伴家族は1回乗車100円で利用することが可能です。

3. 券面の運賃区間外の乗り越しはどうなるの?(平日の場合)
 阪急バスの
運送約款(2014年6月17日更新)の第28条の2項より、
 「ICカード定期乗車券として発売する通勤定期乗車券を所持する旅客については、乗車する区間において、乗車する停留所から券面表示の区間を超えて乗車した場合と降車する停留所から券面表示の区間を超えて乗車する場合を比較(但し、券面表示の区間が旅客の乗車した区間の初乗り運賃額に満たない場合を除く)して低額となる券面表示の区間を越えて乗車する区間に対応する普通旅客運賃及び料金
 これを支払うことによって、既に払った運賃額に対応する区間を越えた乗車(つまり「乗り越し」)ができます。
 精算方法については、hanicaにチャージ残額がある場合は乗越運賃額を自動精算し、hanicaにチャージ残額がないあるいは不足する場合は不足金額を現金で精算することになります。
 具体的に例を挙げると、例えば「220円区間 hanica通勤定期」で、「千里中央から希望ヶ丘二丁目まで」を利用した場合、乗車停留所基点および降車停留所基点の双方から券面表示運賃額区間外の乗越運賃を計算し、低額になる方を乗越運賃として適用されます。つまり、希望ヶ丘二丁目を基点とすれば、券面表示額範囲内は「希望ヶ丘二丁目~上音羽口」間(190円)であり、「上音羽口~千里中央」間(590円)が乗越区間となります。一方で、千里中央基点とすれば、券面表示額範囲内は「千里中央~青松園前」間(220円)であり、「青松園前~希望ヶ丘二丁目」間(550円)が乗越区間となります。この場合では、後者の方が乗越運賃額が低額となるため、乗越精算額は550円と算定されます。
 
4. 忍頂寺線(阪急茨木~余野)の乗継制度はどうなるの?
 2015年4月1日の直通運転化により乗継制度は廃止されました。
 忍頂寺線の「阪急茨木~忍頂寺のりかえ~余野」間においては、1997年12月22日のダイヤ改正以降、乗継制度の適用によって、通し運賃が正規運賃となっています。
 ただし、忍頂寺停留所で乗り継ぐときに、「一乗車ごとに精算」「通し運賃として精算」が可能であることを踏まえると、自分の所持する定期券によって、旅客自身でどちらかを選択することとなります。(環境定期券は一乗車100円なので、乗継制度は適用外)
 具体的な例としては次のようになります。
(1) 「700円区間 hanica通勤定期券」(希望ヶ丘二丁目~千里中央間の運賃に相当)を所持する旅客が、忍頂寺線で余野から阪急茨木(760円)に向かう場合、「通し運賃」として精算するならば、券面表示区間を越えてしまうため、別に乗越運賃が必要となります(銭原経由なら220円、上音羽経由なら150円が乗越運賃額に相当)。ですが、乗り継ぎをするときに忍頂寺停留所で「一乗車ごとに精算」すれば、余野~忍頂寺間(360円)、忍頂寺~阪急茨木間(550円)のいずれも券面表示区間内になるため、別途に乗越運賃を支払う必要はなくなります
(2) 「220円区間 hanica通勤定期券」を所持する旅客が、忍頂寺線で余野から阪急茨木(760円)に向かう場合「通し運賃」として精算するならば、銭原経由で620円(湯谷口~阪急茨木間よりも余野~福井間の方が低額になるため、後者を乗越区間として適用)、上音羽経由で580円(余野~福井間よりも上音羽口~阪急茨木間の方が低額になるため、後者を乗越区間として適用)となります。一方で、「一乗車ごとに精算」すれば、余野~忍頂寺間では銭原経由で290円(余野~車川庄が290円、湯谷口~忍頂寺間で300円なので後者を適用)、上音羽経由で220円(余野~上音羽口間で220円、上音羽口~忍頂寺間で200円なので後者を適用)、忍頂寺~阪急茨木間で400円(南条~阪急茨木間で460円、忍頂寺~福井間で400円なので後者を適用)が必要となります。よって、「通し運賃」(上音羽経由580円 or 銭原経由620円)<「一乗車ごとに精算」(上音羽経由220円+400円=620円 or 銭原経由290円+400円=690円)という不等式を満たすことから、通し運賃で乗越精算した方が安く乗車できることになります。


・その他、細かいところ
 阪神バス(旧阪神電鉄バス)では、2002年2月1日の運賃改定時から「全線フリー」の定期券を発売しています。これが2014年6月16日からhanica定期券に移行されました。(当時、阪神電鉄バスでは手持ちの定期券が(大阪特区・神戸特区を除き)フリー定期券に切り替わっています。)

 これにより、阪急バス・阪神バス間における定期券提示割引が拡大され、従来は
プラティーク兵庫、宝塚市内線、西宮市内線、芦屋市内線、尼崎線(尼崎市内)の通勤通学定期で阪神バスへの割引乗車(2010年9月4日、土日のみ適用開始。2011年4月1日、平日にも適用開始)ができましたが、今回からは220円以上のhanica定期券でも割引が適用されることとなりました。
 

謝辞:阪急バス本社自動車事業部(6月初旬回答)、某便の乗務員さん(写真協力)
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