阪急バス路線物語(BLOG ver.)

阪急バス・阪急田園バスが運行する京阪神地区を中心に、「バス停」とその風景を撮り続けています。

2012年12月10日、能勢営業所が閉鎖に。

◆2012年12月10日 阪急バス能勢営業所・阪急田園バス能勢支社廃止に。
 各路線は豊能、猪名川に移管。本数減便を中心にした改正を実施。

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 2012年11月22日18時47分頃 阪急バス公式WEBサイトにて、2012年12月9日をもって能勢営業所を閉鎖する旨の告示がなされました。
 能勢町域のバス路線は
町によって路線再編が計画されたことがあったり、あるいは周辺営業所への運行移管が画策されてきていましたが、移行準備がようやく整ったため、今冬の閉鎖となりました
 また、2012年11月27日11時18分頃に公式WEBサイトにて、豊能西線・妙見口能勢線が豊能営業所に、西能勢線・杉生線が猪名川営業所に移管されるとともに、本数減便ないし調整を伴うダイヤ改正が実施されることが告知され、9時35分頃~19時20分頃にかけて新時刻表が公開されることとなりました。

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 能勢町内の路線は北摂乗合自動車が1926年8月に山下・森上間と清水橋・宿野間で路線免許を取得したことから歴史が始まりました。1947年には阪急バスの路線となり、1967年3月16日に田尻・森上の各車庫に変わり、車両30台をもつ車両基地として能勢営業所を開所します。1957年4月9日には丹波交通との競願あるいは能勢電鉄との競合区間であった池田・山下間の免許を取得して、池田から能勢町内への直通運転を開始、同年10月14日には名月線、1960年5月6日には長谷線を開設しており、こうした路線拡大の基盤として設置されました。

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(↑ 能勢町在住、塩田豪一氏撮影。本人の許可を得て掲載。無断転載禁止。)
 しかしながらモータリゼーション化の影響や能勢町の人口減少も重なり、能勢管内の路線は採算が取れない赤字路線として運営を逼迫。路線廃止を防ぐ代替策として、日本初のデマンドバスを導入します(1972年6月27日)。1987年2月には町最北端の天王地区を走っていた国鉄バスの廃止代替として摂津天王までを延長しました(写真)。
 それでも運賃等の利用者負担を見直すなどの改善を講じても、長期的な赤字圧縮あるいは黒字転換になることはなく、1997年10月10日にデマンドバスは廃止され、一部路線が路線バスとして残りました。また、天王地区への路線も1999年4月14日に路線廃止となりました。
 赤字圧縮の策として、子会社の阪急田園バスに運行管理業務を委託することとなり、阪急田園バス能勢支社が開所します(1997年10月10日)。これが子会社への委託化の走りとなり、以降、向日・大山崎・山口・豊能・伊丹・石橋の各営業所が阪急田園バスに委託されました。

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 能勢町の平成24年度予算では、西能勢線に対しては1000万円の定額補助、妙見口能勢線には赤字負担1470万円の赤字補填の補助金として計上されています(金額等は議会録による)。利用者数が減少する一方、運行経費は増加していっており、能勢町でも議会で今後の方針について議論が重ねられています。

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 地方部では、赤字のためにバス停の管理さえ出来ない業者もあり、依然として路線バス業界は厳しい状態が続いています。そうした地方部と異なり、自治体ではなく民営業者が主体に路線網を発達させてきた大阪府内では、車をもたずとも生活できる「交通権」を十分にもっている住民が社会的多数派であり、豊能郡の住民のような交通弱者はマイノリティについて議論されることはありません。近年になって、ようやく他県と同様に交通権の確保に向けて議論がされ始めたばかりです。
 今後何をしてなければいけないのか。はっきりいって、バスファンやバスマニアである趣味者が外から何かを訴えても話にならないでしょう。
 現場は何をするのか。自治体は住民の生活の確保のために何をしなければいけないのか。住民は自分の生活だけでなく子どもたちのために何を残していけるのか。バス会社はどうすれば住民がバスに乗ってくれるのか。現状を放っておかずに、いかにしてPlan, Do, Check , Actionのサイクルを繰り返すか。

 ネオポリス線で通学してきた身として。良い方向に変えることが出来ず、さらには「まち」を捨てて下界に身を移した者として。・・・阪急バスが、自分の生活になくてはならない存在であった者として。私はそう自戒するのです。

2012年11月23日 aki
2012年11月27日 28時48分加筆
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